研究課題/領域番号 |
18K14937
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
大嶋 直浩 東京理科大学, 薬学部薬学科, 助教 (30757133)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | オウゴン / 間質性肺炎 / 生薬間相互作用 / フラボノイド |
研究実績の概要 |
オウゴンは強力な抗炎症作用を示すことから、様々な漢方処方に配合されており、主に臨床現場で重宝されている。一方で、オウゴン含有漢方処方は間質性肺炎を引き起こしやすく稀に重篤になるため「予防」が重要である。しかし、その方法は確立されていない。最近私はオウゴン含有漢方処方の一つである黄連解毒湯の研究を行い、当該処方を調製する過程で間質性肺炎の原因物質とされているフラボノイドの抽出効率が著しく変化することを見出した。このことは生薬の配合により、フラボノイドの量を調節できることを示唆しており、より最適な生薬を組み合わせることで間質性肺炎の発症を予防できるのではないかと考えている。この仮説を立証するため、本研究ではオウゴンに様々な生薬を配合し、有効性と安全性を勘案したフラボノイドの量を明らかにすると共に配合すべき生薬の最適化を行う。 今年度はオウゴンに含まれるフラボノイドの一つであり、間質性肺炎の関連が最も強く疑われているバイカレインに焦点を当て、バイカレインと相互作用を示す生薬の探索を行った。抽出過程におけるバイカレインの挙動を調べる目的で、個々の生薬を別々に煎じたエキスと各生薬を一緒に煎じたエキスをそれぞれ調製し、各々の成分組成を定量的に比較した。その結果、オウゴンにオウレン、サイシン、トウニン及びリョウキョウをそれぞれ組み合わせることでバイカレインの抽出量が減少することを見出した。一方、サンシシとの組み合わせではバイカレインの抽出量は増加し、それはエキス全体の重量の増加に起因することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
生薬間相互作用の有無を迅速に見出す方法を確立したため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の結果について再現性を確認すると共に他成分の挙動も明らかにする必要がある。
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