大黄甘草湯の下剤効果の個人差は、食事による腸内細菌叢の違いが影響を及ぼすと考えられたことから、下剤効果と腸内細菌叢の変化との関連性について検討を行った。その結果、便秘症患者と腸内細菌叢が類似している高炭水化物および高脂肪飼料摂取下の腸内細菌叢において大黄甘草湯の下剤効果は促進され、その効果に大黄成分であるrhein 8-O-β-D-glucopyranosideが関与することを明らかにした。また、高繊維飼料摂取下の腸内細菌叢において大黄甘草湯の下剤効果は反対に抑制された。本研究から、食事による腸内細菌叢の違いが緩下薬のレスポンダーとノンレスポンダーを生み出す一因になっていることを明らかにした。
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