研究課題
若手研究
当該研究は、医療費請求データなどの大規模既存データより、機械学習による薬剤有害事象の異常検知が可能であるかを探索的に検討した。題材として血糖降下薬の一つであるSGLT2阻害薬と、骨粗鬆症治療薬の一種であるビスフォスフォネート製剤の二つを選択し、有害事象として前者は腎機能低下や脱水など、後者には顎骨壊死を用いた。機械学習の手法により異常点の検知自体は可能であったが、手法の選択やそれぞれの事象の特定に用いる病名や薬剤のコードの選択に大きく依存する結果であった。
薬剤疫学
病名の入力に関しては医療機関・医師レベルにより方針が異なるのが日本の実情と思われる。機械学習を用いた検出においても、その精密さはこれら診療プラクティスの違いに大きく依存した。したがって、この技術を実用面で用いる前提として、病名入力の方針について何らかの統一的な指針を整備することが必要であることを示唆した研究である。