本研究では、抗メチシリン耐性黄色ブドウ球菌薬であるテイコプラニンに着目し、小児・新生児における母集団薬物動態モデルならびに生理学的薬物動態モデルを構築した。また、目標血中濃度達成のための投与ノモグラムを作成し、その有用性について評価した。 薬物動態解析により、血中濃度に影響する因子として、体重、妊娠週数、腎機能、血清アルブミン値が同定された。また、シミュレーション解析により、添付文書用量から増減が必要な患者群を特定することができた。得られた研究成果は、成長・発達過程を考慮した個別化投与設計の推進、ならびに小児・新生児における投与設計の標準化につながると考えられる。
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