研究課題
若手研究
抗血小板薬であるクロピドグレルとプラスグレルは、別の代謝経路を持つ。国際第III相試験では、プラスグレルはクロピドグレルに比し抗血栓効果は優れるものの、出血リスクが増大することが報告された。本研究では、市販後有害事象自発報告データベース(FAERS,JADER)を用いて、クロピドグレルとプラスグレルの出血リスクを比較検討した。クロピドグレルに比しプラスグレルは出血リスクが高いという結果であった。
臨床薬理学
昨今の国際共同治験の促進により、日本人症例の組み入れが少ないまま有効性や安全性が検証され、承認される医薬品が多くなってきている。そこで、本研究では、治験時に日本人症例が少なく、日本人における有効性や安全性が明らかにされていないことに関し、日本人データを多数含む大規模医療情報データベースを活用した市販後の調査をすることを目的とした。本研究により、大規模データを用いた調査が、臨床試験時の民族差の課題を解決する一助となることを示した。出血リスクがより低く、かつ抗血小板効果が高く使用できる薬剤選択について検討し、日本人における抗血小板薬の適正使用につなげることができた。