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2022 年度 実施状況報告書

抗精神病薬の脳内受容体占有率を基盤とした新規投与設計法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 18K14959
研究機関帝京大学

研究代表者

中谷 絵理子  帝京大学, 薬学部, 助教 (90803916)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワード抗精神病薬 / 統合失調症 / 受容体占有
研究実績の概要

抗精神病薬の投与量の指標として用いられるクロルプロマジン換算値は、抗精神病薬単独投与時のドパミンD2受容体占有率に基づき定められており、併用投与時の相互作用が考慮されていない。そこで確立したドパミンD2・ヒスタミンH1・ムスカリン受容体占有率同時測定法を用いて、クロルプロマジンおよびリスペリドン併用投与時の受容体占有率推移を評価した。7週齢雄性Wistarラットに4.5 mg/kgクロルプロマジンおよび1.5 mg/kgリスペリドンを単独もしくは併用で経口投与後、ドパミンD2、5-HT2A、ヒスタミンH1、ムスカリン受容体のトレーサーとしてラクロプリド、M100907、ピリラミン、3-キヌクリジニルベンジレートの混合液を静脈内投与した。小脳・大脳皮質・線条体中被験薬およびトレーサー濃度を定量し、各トレーサー濃度から受容体占有率を算出した。脳内ドパミンD2受容体占有率は、両被験薬ともに単独投与で薬効発現域の70%程度で推移したのに対し、併用投与では副作用発現域の90%程度で4時間以上推移した。また、併用投与により脳内5-HT2A、ヒスタミンH1、ムスカリン受容体占有率の上昇と、リスペリドンおよび活性代謝物であるパリペリドンの脳組織中濃度上昇が示された。以上から、クロルプロマジンとリスペリドンの併用により複数の脳内受容体が過剰に占有されることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初計画よりやや遅れていいるものの、上記研究成果が得られており、この遅れは次年度挽回できるものと考えている。

今後の研究の推進方策

抗精神病薬多剤併用時における薬力学および薬物動態的影響を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

2022年度購入予定であった消耗品費が当初予定よりも低予算で済んだため、次年度使用額が発生した。次年度使用額については消耗品費として使用する予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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