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2019 年度 実績報告書

医療用医薬品による膵腺房細胞の分化転換によるインスリン分泌細胞の再誘導

研究課題

研究課題/領域番号 18K14968
研究機関神戸大学

研究代表者

綿本 有希子  神戸大学, 医学部附属病院, 薬剤師 (10757454)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードβ細胞 / 分化転換 / 低分子化合物
研究実績の概要

研究の目的は、小分子有機化合物による転写因子群を介した脱分化・分化転換機構の寄与を明らかにし、転写因子群を介した分化転換機構制御によるインスリン分泌細胞数を促進させることである。2018年度は、野生型ならびにストレプトゾシン処置Ⅰ型糖尿病モデルをコントロールとして、被検群に2種類の給餌に混じて経口投与により化合物を投与した。これら3群から膵臓を摘出して遺伝子発現についてマイクロアレイ解析を施行した。発現に変化のあった遺伝子群でpathway解析を行ったところ、ドパミン作動性神経とビタミンB6に関する代謝経路の活性化、ならびに、プロピオン酸をはじめとする糖質/脂質の代謝経路、MAPK経路下流の細胞周期に関与する分子群の発現にも変化を認めた。更に、カルシウム制御等のインスリン分泌にかかわる経路の発現変化も認めた。2018年度は、3群それぞれの個体の膵臓のミクロの形態計測を行い、血糖値とインスリン分泌量の逆相関、α細胞の面積に著変を認めないもののインスリンに対する免疫組織学的反応を有する細胞面積も血糖値に逆相関していたことを見いだしている。これらの結果より、少なくともα細胞からβ細胞へ分化転換することで、インスリンの産生量の増大をもたらしたというよりも、インスリン産生細胞数の再増加による影響を受けた変化であると示唆された。以上より、膵β細胞などの細胞増殖に関係するとみられるcell cycleに関係する分子群が活性化された結果、上記の発現変化したのではないかと示唆された。これらの遺伝子群うち、先ずはMAPK経路をはじめとするcell cycleに関与し、且つ発現増加した9つの遺伝子に付いて注目して解析を進めている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] IGF-1 regulate the expression of uncoupling protein 2 via FOXO1.2020

    • 著者名/発表者名
      Watamoto Y, Futawaka K, Hayashi M, Matsushita M, Mitsutani M, Song Z, Koyama R, Fukuda Y, Nushida A, Nezu S, Kuwahara A, Kataoka K, Tagami T, Moriyama K.
    • 雑誌名

      Growth Factors.

      巻: 37 ページ: 247-256

    • DOI

      10.1080/08977194.2020.1739032.

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Cigarette Smoke Extract Modulates Functions of Peroxisome Proliferator-Activated Receptors.2019

    • 著者名/発表者名
      Matsushita M, Futawaka K, Hayashi M, Murakami K, Mitsutani M, Hatai M, Watamoto Y, Yoshikawa N, Nakamura K, Tagami T, Moriyama K.
    • 雑誌名

      Biol Pharm Bull.

      巻: 42 ページ: 1628-1636

    • DOI

      10.1248/bpb.b18-00991.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Insulin-like growth factor-1 directly mediates expression of mitochondrial uncoupling protein 3 via forkhead box O4.2019

    • 著者名/発表者名
      Watamoto Y, Futawaka K, Hayashi M, Matsushita M, Mitsutani M, Murakami K, Song Z, Koyama R, Fukuda Y, Nushida A, Nezu S, Kuwahara A, Kataoka K, Tagami T, Moriyama K.
    • 雑誌名

      Growth Horm IGF Res.

      巻: 46-47 ページ: 24-35

    • DOI

      10.1016/j.ghir.2019.05.003.

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] IGF-1のエネルギー代謝に関する基礎的検討.2019

    • 著者名/発表者名
      松下 翠, 二若 久美, 林 美沙, 村上 佳奈, 主田 綾佳, 根津 祥子, 綿本 有希子, 桑原 晶子, 片岡 和三郎, 田上 哲也, 森山 賢治
    • 学会等名
      第92回日本内分泌学会学術総会
  • [学会発表] IGF-1の抗肥満作用を標的としたシグナル伝達経路に関する基礎的検討.2019

    • 著者名/発表者名
      綿本 有希子, 二若 久美, 林 美沙, 松下 翠, 村上 佳奈, 主田 綾佳, 根津 祥子, 桒原 晶子, 片岡 和三郎, 田上 哲也, 森山 賢治
    • 学会等名
      日本薬学会. 第139年会

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公開日: 2021-01-27  

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