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2018 年度 実施状況報告書

生理学的メカニズムに基づく数理モデルを用いた分子標的薬の副作用個人間変動予測

研究課題

研究課題/領域番号 18K14971
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

年本 広太  国立研究開発法人理化学研究所, 科技ハブ産連本部, 特別研究員 (70740504)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワード薬物動態学 / モデリング&シミュテーション / 生理学的薬物速度論モデル / 仮想臨床試験 / 遺伝子多型
研究実績の概要

本研究は、分子標的薬の薬物濃度推移および薬効・副作用発生を表現することができる生理学的メカニズムに基づいた数理モデルを構築し、構築したモデルを用いてコンピュータ上での大規模仮想臨床試験を実施することにより分子標的薬の薬物濃度推移および薬効・副作用発生の個人間変動を推定することを目的としている。本年度は、分子標的薬の薬物濃度推移を再現するために、生理学的薬物速度論(PBPK)モデルの構築を中心に研究を実施した。分子標的薬であるスニチニブおよびソラフェニブの薬物動態を担う代謝酵素および薬物トランスポーターの活性情報を文献情報を中心に収集し、一部のモデルパラメータは臨床試験で得られている薬物血中濃度推移を再現できるようパラメータ最適化を実施することで、PBPKモデルパラメータを推定した。最適化されたパラメータは、in vitro試験結果の値と比較し、大きな乖離がないかを確認することで、パラメータの妥当性を評価した。しかしながら、これらの化合物は活性代謝物が知られており、薬効の個人間変動を解析するためには、これをモデル内に組み込む必要があるため、モデル構築に多くの時間を要した。また、薬物が胆汁に排泄され腸管を経由して再び血中へと循環する、いわゆる腸管循環があることが知られており、構築したモデルがこれらの寄与を定量的に正しく推定しているか検証する必要がある。構築したモデルパラメータが適切であるかの妥当性を評価することが課題である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の年次計画ではPBPKモデルのみならず副作用モデルの構築にも着手する予定であったが、実際には副作用モデルの構築に着手することができなかったため、研究進捗はやや遅れていると判断した。

今後の研究の推進方策

まず、分子標的薬のPBPKモデルの妥当性検証を早急に実施する。副作用モデルに関しては既報のモデルをそのまま使用する等を行うことにより研究の遅れを取り戻す予定である。各種モデルを構築した後は、当初の研究計画に従い過去に構築した仮想臨床試験を用い、遺伝子多型等による副作用発生頻度の差を、既報の臨床報告と比較する。この時、遺伝子多型によっては試験ごとに相反する結果が報告されていることから、そのような報告が現実的な確率として起こりうるかの検証も実施する。

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公開日: 2019-12-27  

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