当初計画した分子標的薬の副作用個人間変動予測は、その薬物の血中濃度推移を再現するための数理モデル構築が現状の臨床データからでは困難であったため、糖尿病治療薬レパグリニドに焦点を変更した。レパグリニドは高脂血症治療薬ゲムフィブロジルとの併用により、その血中薬物濃度が上昇することが個人間のばらつきを含めて臨床報告がなされている。レパグリニドの数理モデルを構成する生理学的・生化学的パラメータにばらつきを与えることでコンピュータ上で仮想被検者を発生させた。発生させた仮想被検者を用いてゲムフィブロジル併用によるレパグリニドの薬物濃度推移をシミュレーションした結果、臨床報告を良好に再現することに成功した。
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