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2018 年度 実施状況報告書

免疫抑制薬の血液中濃度の日内および日間変動に寄与する病態的因子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 18K14974
研究機関筑波大学

研究代表者

鈴木 嘉治  筑波大学, 附属病院, 病院講師 (80760298)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード免疫抑制薬 / 薬物代謝酵素 / 遺伝子多型
研究実績の概要

腎移植後には移植臓器を生着させるために、レシピエントは免疫抑制薬タクロリムスを継続的に服用しなければならない。タクロリムスはその血液中濃度の個体間変動が大きく、定期的な血液中濃度モニタリングと投与量調節が必要である。この個体間変動の因子として、CYP3A5遺伝子多型の存在はよく知られている。一方、タクロリムス血液中濃度には個体「内」変動も存在し、個体内変動が大きい患者では、拒絶反応リスクが1.4倍も高いことが近年報告された。個体内変動は主にタクロリムスの肝での代謝および消化管での吸収の変化に由来すると考えられるが、これらは既知因子のCYP3A5遺伝子多型では説明できず、個体間変動を誘引する因子はほとんど明らかとなっていない。本研究ではタクロリムスの代謝および消化管吸収に関わる因子が病態的変化により影響を受けるか否かを基礎実験によって探索し、その結果を応用して腎移植患者を対象として臨床的検証を行い、タクロリムス血液中濃度の個体間変動を誘引する因子を明らかにすることを目的とする。
2018年度は移植症例のエントリーが進んだため、臨床研究を重点的に行った。すなわち、免疫抑制薬の血液中濃度と薬物代謝酵素の遺伝子多型との関連について、検証を行った。遺伝子多型については従来は単一遺伝子による検証が行われてきたが、本研究では複数遺伝子の組み合わせにより免疫抑制薬の血液中濃度との関連を検証した。その結果、CYP3A5と他遺伝子多型とを組み合わせることで、免疫抑制薬の血液中濃度の個体間差が説明できることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

臨床症例による検証により免疫抑制薬の血液中濃度の個体間変動を生む要因の一つとして、薬物代謝酵素の遺伝子多型の関与は明らかとなっている。臨床症例の蓄積と同時に、今後は基礎的研究への荷重を増やし、免疫抑制薬の血液中濃度の日間変動に影響する因子のスクリーニングを実施していく。

今後の研究の推進方策

免疫抑制薬の血液中濃度の日間変動に影響する因子の文献的調査を済ませており、臨床および基礎的な検証の準備をすでに行っている。因子の検出および測定方法の構築と並行して、臨床症例を対象とした検証を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

研究試薬の購入に必要な資金として、次年度で使用するため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] CYP3A5および POR遺伝子多型がタクロリムスクリアランスに与える影響2018

    • 著者名/発表者名
      鈴木嘉治、高橋一広、小田竜也、大河内信弘、本間真人
    • 学会等名
      第45回日本臓器保存生物医学会学術集会

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公開日: 2019-12-27  

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