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2019 年度 実施状況報告書

全国手術データベースを用いたCABG周術期の薬剤使用戦略の改善に向けた研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K14975
研究機関東京大学

研究代表者

隈丸 拓  東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (00511461)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード薬剤疫学 / 冠動脈バイパスグラフト術 / データベース
研究実績の概要

初年度に日本心臓血管外科手術データベースから抽出し、周術期薬剤の使用実態調査に用いた45,666人の単独冠動脈バイパスグラフト術(CABG)コホートを用いて、術前の抗血小板薬の使用について、実臨床における有効性・安全性の評価を実施した。上の使用実態の評価においてはオフポンプ手術、急性冠症候群、ショック状態、過去の冠動脈ステント術施行歴などが薬剤使用と正の相関を持っていた。これらを含む患者背景因子・手術因子を用いて傾向スコアモデルを構築した。モデルは年間平均CABG数50症例未満と以上の施設群2群でそれぞれに構築、またそれぞれの群でこの傾向スコアを用いて抗血小板薬使用群と非使用群の1対1マッチングを行った。
各17,335人のマッチ群では施設の平均CABG実施数のほか、32の背景因子のバランスが確認された。抗血小板薬非使用群と使用群の手術死亡はそれぞれ1.7%と1.6%、脳卒中は1.2%と1.4%、術後心筋梗塞は0.6%と0.8%、そして出血のための手術は1.2%と1.4%であった。過去に冠動脈ステント術を受けた病歴があるサブグループでの比較においても二群の上記アウトカム頻度に有意差はなかった。これらの実臨床データに基づく結果は2016年のATACAS試験の結果に類似する。
上記結果を2019年の米国心臓協会学術集会においては発表した。現地そして日本の心臓血管外科医・循環器科医よりフィードバックを受け、現在結果を英文論文にまとめている。近日投稿予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

主要な解析は予定通りに進行している。

今後の研究の推進方策

研究結果を早期に論文発表することを目標とする。

次年度使用額が生じた理由

データ処理・解析の補助に適切な人員が確保できず、自身で作業を行ったため人件費を使用しなかった。次年度は成果の論文化に関連した費用、そして成果の公表・ディスカッションのために学会参加費や旅費に使用する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Preoperative Aspirin in Coronary Artery Bypass Grafting of 45,666 cases: A Retrospective Analysis of Nationwide Japanese Surgical Database2019

    • 著者名/発表者名
      Hiraku Kumamaru
    • 学会等名
      American Heart Association Scientific Sessions 2019
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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