本研究では、ほぼ100%の症例カバー率を持つ日本心臓血管外科手術データベース(JCVSD)を用いて、本邦の日常診療において、ガイドラインでCABG周術期に使用が推奨される循環器系薬剤がどの程度使用されているか、ガイドライン遵守率が低い症例施設の特徴を明らかにした。2013-21年において、18歳以上で待機的単独CABGを施行された患者に対する術前アスピリン使用の割合は2013年の使用割合35.3%から2021年の45.4%まで増加し、術前スタチンについては45.5%から60.7%まで増加した。アスピリン使用は過去のPCI実施例、オフポンプ手術症例、ACS症例で割合が高かった。
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