研究課題/領域番号 |
18K14976
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高田 宗典 東北大学, 大学病院, 特任講師 (70746841)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 患者報告アウトカム / 臨床研究 / コンピュータシステムバリデーション |
研究実績の概要 |
QOLや痛みといった、医師を含めた医療関係者による解釈が追加されず、被験者から直接得られる健康状態のあらゆる側面に関する評価結果を「患者報告アウト カム Patient Reported Outcome(:以下、PRO)」と総称する。これらの個人の主観に基づくデータを電磁的にいかに効率的に収集するかについては、本邦では諸 外国に比べまだ一般的でなく、また、PROを利用する臨床研究も限られている。本研究ではPROを電磁的に収集するelectronic Patient Reported Outcome(以下、 ePRO)の利用普及に向けた、標準プラットフォームの作成と、実際の臨床研究での活用事例の解析についてを研究課題としている。 2018年4月の本研究の開始後、2018年11月21日にシステム構築Vendorと、所属組織との間に共同研究契約を締結した。米国の関連学会への主席については、今年度は、COVDI-19の米国内の感染拡大を受けて、DIA Technology for Clinical Trials(2020/3開催予定)が延期となったため、Society for Clinical Data Managemnetのみとなった。現在、Computer System Validation(CSV)の実施と、CSV関連文書の作成について、外部監査機関と共同研究締結システム構築Vendor間で認証取得に向けた作業が大詰めとなっている。研究の契機となった医師主導臨床試験(UMIN000017530 )臨床研究については、今後実際のアウトカムについての評価がなされる予定であり、ePROシステム内のデータとの相関性について検討が可能となる見込みであり、当該研究での成果の一部として論文化の準備をしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
システム構築Vendorと所属機関との間に共同研究契約の契約締結を終了し、研究の契機となった医師主導臨床試験(UMIN000017530 )臨床研究についてもePRO被験者のデータ入力や、データ修正等のシステムに内包されるデータを解析中である。ePRO標準プラットフォームを構築し、より多くの研究者が利用可能となるようシステム構築Vendorおよび開発中のePROプラットフォームのコンピューター システムバリデーション(CSV)の実施と、その成果についての外部監査についても、共同研究Vendorとともに、作業を実施中である。臨床研究法の施行に伴う臨床研究活動の萎縮を懸念していたが、既に、複数の臨床研究で、共同研究先のシステムの導入が行わている。米国での国際学会が、COVID-19の影響により、複数の開催が延期もしくは中止となっており、2020年度の活動に影響が出ないかが懸念事項となっている。
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今後の研究の推進方策 |
コンピューターシステムバリデーション(CSV)の実施と、CSV関連文書の作成について、外部監査機関による認証取得に向け監査機関の選定作業をシステム構築 Vendorと継続中である。 医師主導臨床試験(UMIN000017530 )については、主研究の論文作成の進捗に合わせて、システム情報の解析を継続する。今年度から来年度に かけて得られた知見については論文化し、国内外に発信する見込みである。 これら状況に併せて、2020年9月に開催されるデータマネジメントの国際学会(Society for Clinical Data Management)に参加し、産学開発のePROシステムに ついて、海外の情報を収集する。またその際に得られたコミュニケーションネットワークを通じ、引き続き中国や東南アジア諸国のグローバル企業への紹介を行い、グ ローバル展開できないか模索することとしている。
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次年度使用額が生じた理由 |
コンピューターシステムバリデーション(CSV)実施時期について、システム開発Vendorとの共同研究契約締結後より開始し、現在実施中である。現在、外部監査機関の選定も終え、システム開発ベンダーでの作業について、次年度上半期で終了予定している。成果物となるCSV関連文書については、各種法規制の要求事項を満たす必要があり、関連法規制についての情報収集と共有をシステム構築Vendorとで共同で実施している。次年度に繰り越した費用によりこれらの作業に充当する予定としている。
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