抗がん剤によるがん化学療法において誘発される副作用の中でも、味覚障害は、抗がん剤投与中の患者の約半数に現れる主要な副作用であり、患者のQOLの著しい低下を招く。高齢化によりがん患者やがんサバイバーが増加しているが、一方で副作用である味覚障害の有効な予防法や治療法は確立されておらず、がん化学療法誘発味覚障害の発症メカニズムのさらなる解明および治療戦略の探索が非常に強く望まれている。本研究は、抗がん剤による味覚神経障害という視点で味覚障害のメカニズムを解明することで、新たな予防・治療ターゲットの探索につなげることが出来ると考えている。
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