本研究では有害事象自発報告データベースとしてJADERを活用し、機械学習を用いて医薬品の化学構造情報から薬物性肝障害を予測することを目的とした。シグナル検出法と報告件数を用いて薬物性肝障害の陽性医薬品と陰性医薬品を定義した。医薬品の分子記述子を特徴量とし、ランダムフォレストを用いて、薬物性肝障害の有無を判別するインシリコ予測モデルを構築したところ、感度0.90、AUC 0.66の性能が得られた。さらにJADERと文献情報を組み合わせることで、AUCが0.84まで改善した。大規模な副作用情報と機械学習を適切に活用することで薬物性肝障害の予測が可能であることが示唆された。
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