本研究では、メトロニダゾール (MTZ) 誘発性脳症の原因として、チアミン構造類似部位を有するMTZがチアミン輸送トランスポーターを阻害してチアミンの脳内輸送量が減少し脳症発症に至る「チアミン欠乏仮説」を提唱し、当該脳症発症メカニズムの解明を目的に検討を行った。In vitroでチアミンの細胞内への取り込み、細胞層の透過に臨床濃度付近のMTZが及ぼす影響について検討を行った結果、MTZはチアミンの消化管からの吸収および脳組織への移行を阻害しない可能性が示唆された。しかし、比較的高濃度のMTZによりチアミンの細胞内への取り込み量の上昇が認められた。
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