研究課題
若手研究
本研究では光遺伝学の高い時空間分解能を生かしてシグナル分子の活性を制御し、上皮細胞の集団遊走の分子機序、特にリーダー細胞の形成機構とリーダー/フォロワー関係の維持機構の解明を目指した。新たな光遺伝学ツールとしてRhoAGAPのスイッチを作製した。リーダー細胞の形成にはPI3Kの活性化と、RhoAの適切な活性制御が重要であることが示唆された。一方で、リーダー/フォロワー関係の維持においてRhoAの高い活性が必要であるかについては明確な結果が得られなかった。
細胞生物学
細胞の集団遊走は器官形成、創傷治癒、癌の浸潤転移など様々な生命現象において重要な現象である。これまでの研究手法では細胞集団の中の個別の細胞の機能を操作することは困難であった。本研究では光遺伝学を用いることでこの課題の解決を目指した。光照射の時空間的な制御によって個別の細胞の機能を操作するだけではなく、シグナルの活性化について時間的な制御も可能となった。また、本研究で作製した光遺伝学ツールは他の細胞生物学研究にも応用可能である。