研究課題
昨年度の検討において、NASH誘発食中のトランス脂肪酸が腸粘膜透過性にかかわる可能性が示唆されたため、再検討を行った. しかし再現性のある結果は得られず、どの成分が腸粘膜透過性の亢進にかかわるかは明らかにすることはできなかった. 一方、腸粘膜の透過性亢進は肝機能の指標であるALT、ASTが上昇し始める段階から認められ、その後5か月程度まで継続することが昨年の検討で明らかとなった. そこで、本年は肝臓の障害と腸粘膜の透過性との関連についてさらに検討を行った. NASH誘発食を与えて肝臓の繊維化が認められはじめる給餌3か月後では大腸組織のtightjunctionの発現低下と血中LPSの上昇が認められた. また、DSSによる小腸のダメージの誘発により腸粘膜透過性の増加と肝障害の悪化が認められた. さらに、この障害にはある種の腸内細菌が関与する可能性が示唆された. 以上の結果から、腸粘膜透過性の亢進はNASHの発症や進展を引き起こす可能性が示唆された.
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Lancet Gastroenterology & Hepatology
巻: in press ページ: -
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