脳内出血時には血液が漏れ出すことで、血液成分や浸潤した免疫細胞によって脳組織傷害が引き起こされる。なかでも好中球の浸潤が病態を悪化させることが明らかであるため、好中球の浸潤制御に関わる生理活性脂質に注目した。その結果、脳内出血発症後にロイコトリエンB4の量が一過性に増加し、脳内出血病態の形成(ミクログリアの活性化、および好中球の浸潤)に関与することを見出した。また、アラキドン酸から代謝される生理活性脂質の一つであるリポキシンA4に注目した結果、リポキシンA4の受容体刺激によって脳内出血モデルマウスにおけるミクログリアの活性化や好中球の浸潤、および運動機能障害の発症を軽減させることを見出した。
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