研究課題/領域番号 |
18K15051
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
城 愛理 (渡辺愛理) 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40726197)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 受容体 / 細胞内シグナル |
研究実績の概要 |
現時点では受容体Xを検出できる市販抗体がないため、in vivo解析のためのツールとして、受容体Xの抗体作成を試みた。 まず、コムギ胚芽無細胞タンパク質合成系により作成したマウスおよびヒトの全長タンパクを抗原としてウサギに免疫することでポリクローナル抗体を作製した。この抗体は、過剰発現させた受容体の一部を検出することができたが、非常に感度が低かった。 次に、腸骨リンパ節法によりモノクローナル抗体の作成を試みた。同様にコムギ胚芽無細胞タンパク質合成系により作成した全長タンパクを抗原としてラットに免疫し、ハイブリドーマを得た。これらのハイブリドーマの上清について、受容体X安定発現させた培養細胞の免疫染色によって以下のようにスクリーニングを行った。1次スクリーニング:受容体安定発現細胞を96ウェルプレートで染色し、In Cell analyzer 1000 (GE Healthcare)で解析し、陽性サンプルを抽出した(768ウェル -> 90ウェル)。2次スクリーニング:受容体安定発現細胞とコントロール細胞を1次スクリーニングで抽出した90ウェル分の培養上清で染色した。In Cell analyzerで解析し、90ウェル中8ウェルを抽出した。3次スクリーニング:2次スクリーニングで抽出した培養上清8ウェルを用いて受容体安定発現細胞とコントロール細胞を染色し、共焦点顕微鏡で解析した。その結果、陽性となる培養上清は得られなかった。 最後に、マウス受容体の一部の配列ペプチドをウサギに免疫することでポリクローナル抗体を作製した。この抗体は、培養細胞に過剰発現した受容体Xを免疫染色およびウェスタンブロッティングによって検出できたが、内在性の受容体を検出することはできなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
内在性の受容体を検出できる抗体の作成は不成功であったが、in situ hybridizationにより、mRNAレベルでの検出は可能であるため。
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今後の研究の推進方策 |
内在性の受容体を検出できる抗体は作成できなかったため、今後の計画として、タンパクレベルでの検出方法を別途検討中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
抗体作成が不成功であり、当初の予定より支払い費用が減額となったため。生じた次年度使用額は、in situ hybridizationのプローブ購入費用に充てる。
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