核膜関連タンパク質の異常で起こる核膜病の発見端緒ともなったエメリー・ドレイフス型筋ジストロフィー(EDMD)は小児期に発症する筋疾患であり、筋ジストロフィー症状のほかに、関節拘縮や心伝導障害を伴う心筋症を主徴とする難病であり、エメリン遺伝子をはじめA型ラミン遺伝子の異常などが報告されている。エメリン欠損マウスとA型ラミンH222P変異導入マウスの2重変異(EH)マウスを作製したことがブレークスルーとなり、ミトコンドリアの機能異常(NQO1の発現低下)が骨格筋障害に寄与していると示唆した。本研究では、NQO1の発現増加が期待できる候補治療薬をEHマウスに投与し、骨格筋に対する治療効果を検証した。
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