<本研究の目的>本研究はがんや循環器疾患などの疾患リスクの予測を想定して、血中Lp(a)濃度とKIV2多型を統合的に解析する。 <研究実績の概要>本研究の実施状況は、これまで、選定を行い倫理委員会から承諾を得た参照データである東京都健康長寿医療センターの剖検例を対象に、LPA 遺伝子のKIV2のコピー数の決定をddPCRにより行った。これまでにddPCRによりKIV2のコピー数の決定した検体を解析したところ、先行研究にあるようにLp(a)濃 度とKIV2のコピー数には関連が示された。これにより、全体的にはddPCRの実験はうまくいっていると考えられる。また、ddPCRによりKIV2のコピー数の決定した 検体と剖検例1922例のいくつかSNPの頻度を比較したところ、大きく解離すことはなかった。 さらに、ゲノム計画でも測定間の比較のためにしばしばもちいられ てきた白人種家系から採取された血清由来B細胞株NA12878も同様の実験によりコピー数の推定 も行なった。さらに、公開データであるNA12878のロングリード シークエンスデータを複数種類確認し、ddPCRおよびパルスフィールド電気泳動法からの推定値と 一致するかの確認を試みている。昨年度からはこれまで行ったddPCRによるKIV2のコピー数及び東京都健康長寿医療センターが保持する既に測定済みのSNP chip情報、がん及び循環 器疾患に関わる臨床情報、血中Lp(a)値を用いて、疾患のリスクを統合的に解析を行った。本年度は候補領域のSNPで行っていた昨年度の解析を、全ゲノムSNP情報を使用した統合的解析に拡張できるかを試みた。
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