特発性肺線維症(IPF)には肺癌が高率に併発することが知られているが、この分子機構は未だ完全に理解されていない。本研究において研究代表者は、公共データ再解析により癌幹細胞マーカーとして知られているDCLK1がIPF肺において発現上昇していることを見出した。また、肺腺癌由来細胞株H1299におけるDCLK1発現はLPSで活性化させたマクロファージ様細胞株の培養上清処置により誘導された。さらに、この発現誘導はRelA発現抑制では阻害されない一方でRelB発現抑制により阻害されることを見出した。この結果は、DCLK1発現がalternative NF-κB経路を介して誘導されることを示唆している。
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