研究課題
細胞膜上に発現するCKAP4にDKK1が結合し、CKAP4がクラスリン依存性のエンドサイトーシスをうけた後に、エクソソームへ移行するのに必要な遺伝子について解析し、ALIX、Rab27a、Rab27b、VPS26a、およびVPS35の5種類が重要であることを明らかにした。ついで、エクソソーム中CKAP4が新規腫瘍マーカーになりうるかを解析した。二次元培養下で培養上清由来のエクソソーム中にCKAP4が高発現であることを確認できている膵がん細胞株S2-CP8細胞およびHPAF-II細胞を移植した免疫不全マウスと、細胞を移植していない同じ週齢の免疫不全マウスの血清エクソソーム中のCKAP4の発現を比較した。両がん細胞株移植マウスの血清エクソソーム中でCKAP4が高発現していた。同時に、血清エクソソーム中のCKAP4を抗CKAP4抗体を用いてPS Capture Exosome ELISA Kitで測定し、がん細胞株移植マウスの血清CKAP4が細胞を移植していないマウスの血清CKAP4より高値となることを明らかにした。以上の結果より移植したがん細胞株由来のエクソソーム中CKAP4が、マウス血清中に存在していることが示唆された。さらに、ヒト血清エクソソーム中のCKAP4を測定し、膵がん手術症例のうち免疫染色でCKAP4が陽性の症例の血清CKAP4が、健常人、がんの既往のない大腸ポリープ症例、および免疫染色でCKAP4が陰性の膵がん症例に比べて有意に高値になることを明らかにした。また、手術適応のある膵癌症例に比べて手術適応のない膵癌症例で、血清CKAP4がより高値であった。以上の結果から、エクソソーム中CKAP4ががん症例の中でCKAP4の発現している症例を同定するための新規の腫瘍マーカーとなりうることが明らかとなった。
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