本研究課題において、セノリティックドラッグの候補薬剤であるARV825による細胞死誘導のメカニズムについて解析したところ、ARV825は老化細胞で主に働くDNA二本鎖切断の修復機構である非相同末端結合の抑制と同時にオートファジー関連遺伝子の発現を上昇させることでアポトーシスを引き起こすことが明らかとなった。さらに、加齢性疾患であるがんにおけるARV825の効果について、肥満マウスに肝がんを形成促進させる実験モデルや皮下移植したがんに抗がん剤処理後、がんが再増殖する実験モデルにてそれぞれ検証し、老化細胞を除去できるとともに、肝がんの進展やがんの再増殖を抑制できることがわかった。
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