昨年度はHdc-GFPマウスをGATA2ヘテロマウスと交配させ、GFP陽性細胞の変化を観察した結果、IVIS観察下ではGATA2ヘテロマウスのGFP陽性細胞が野生型マウスと比較して減弱していた。この結果から、GATA2がヒスタミン産生に関与することが示唆されていた。 そこで今年度は、IVISに加えてフローサイトメトリーで血液細胞のGFP蛍光を詳細に観察した。その結果、フローサイトメトリーでは、GATA2ヘテロマウスによるGFP蛍光は野生型と比較して同程度であった。一方、ヒスタミンに関連するいくつかのサイトカインは野生型マウスと比較してGATA2ヘテロマウスで減少していた。また、昨年度に習得した感染免疫応答に対するモデルである盲腸結紮穿刺モデルを用いて、GATA2ヘテロマウスの解析を行った。その結果、GATA2ヘテロマウスでは腹腔内コロニー数が増加することが確認された。このように、GATA2ヘテロマウスで盲腸結紮穿刺モデルを用いることで、GATA2-ヒスタミン経路の破綻および原発性免疫不全症候群の解析を実施できると考えられる。
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