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2019 年度 実施状況報告書

血管炎病態形成に関与する自然免疫性リンパ球の受容体を介した内皮傷害機序の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K15077
研究機関信州大学

研究代表者

小林 実喜子  信州大学, 学術研究院医学系, 講師 (20736491)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード血管炎 / 自然免疫 / 内皮細胞
研究実績の概要

令和1年度は、T/NK cell lineを種々のサイトカイン等で刺激し、NKG2Dの発現に増減が生じる条件をflowcytometryを用いて検討した。しかし、試みたすべての条件でNKG2Dの発現が変化することはなかった。腫瘍細胞である cell line での検討には限界があると考えられたため、健常人ボランティアの末梢血由来のCD8 で検討することに変更した。その結果、NKG2Dの発現が亢進する条件を複数、確認できた。また再現性も確認した。
次に内皮細胞との共培養実験を行う準備として、健常人ボランティアの末梢血由来のCD8を用いることに変更したことに伴って、CD8と内皮細胞のHLAを適合させるか、適合していない市販の内皮細胞を用いる場合にはHLA-TCR系を阻害できる条件を見出す必要が生じた。前者については末梢血から同時に内皮前駆細胞を分離し、十分量の内皮細胞が誘導できるか検討しているが、現在のところ、良好な結果は得られていない。後者については、可能な方法を文献的に検索している。
一方、ヒト血管炎組織材料を用いた形態学的検討については、NKG2DおよびNKG2D ligand の免疫染色の条件検討を再度試みたが、特異的染色は得られなかった。このため、血管炎発生機序にかかわる自然免疫による内皮傷害の形態学的検討については、自然免疫を担う炎症細胞であるマクロファージにその対象を変更して検討を行った。その結果、血管炎病初期の内膜にM2マクロファージの比率が低いことを見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

T/NK cell lineを用いて、NKG2Dの発現に増減が生じる条件を検討していたが、試みたすべての条件でNKG2Dの発現が変化することはなかった。そのため、当初の計画よりやや遅れを生じたが、現在は健常人ボランティアの末梢血での検討に切り替えて研究を進めており、健常人ボランティアの末梢血由来CD8におけるNKG2D発現が亢進する条件は確認できている。

今後の研究の推進方策

健常人ボランティアの末梢血を用いることにしたため、内皮細胞との共培養においてはHLAの適合を考える必要が生じた。これについては末梢血から同時に内皮前駆細胞を分離して十分量の内皮細胞を誘導することができればそれを用いたい。もし不十分であれば、HLA-TCR系を阻害した条件で市販の内細胞を用いて共培養実験を行いたい。

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公開日: 2021-01-27  

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