研究課題
リンパ管異常は、リンパ奇形 (LM: Lymphatic malformation)、カポジ型リンパ管腫症 (KLA: Kaposiform lymphangiomatosis)、カポジ型血管内皮腫 (KHE: Kaposiform hemangioendothelioma)などを含む希少疾患群である。病変が巨大な場合や、顎顔面に発生した場合には外科的切除が困難であり、QOLを著しく低下させる。これら疾患群は変異遺伝子や生物学的態度が異なるにもかかわらず、mTOR (mammalian target of rapamycin)経路の阻害薬であるシロリムスが著効することが報告され、本邦でも前臨床試験が実施されている。mTORとその下流にある4EBP1 (the eukaryotic translation initiation factor 4E-binding protein)とS6K1 (the ribosomal protein S6 kinase 1)は、リンパ管異常の病因に重要な役割を果たしていると考えられている。しかし、リンパ管異常におけるmTOR経路の発現についての報告は未だない。本研究により、リンパ管異常におけるmTOR経路の発現パターンを明らかとした。正常リンパ管と比較して、リンパ管異常ではp-4EBP1とp-mTORが高発現していた。mTOR経路の詳細な発現分析は、リンパ管異常の臨床予後の予測につながる可能性が示唆された。
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Pathology International
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10.1111/pin.12913