研究実績の概要 |
本研究は深部静脈血栓症(DVT)・肺血栓塞栓症(PE)の病態において、静脈血栓由来因子の病態への関与と、肺の非塞栓部領域における病理学的変化の解析と病態への関与を明らかにすることを目的としている。 本年度は、DVTの病態解析のため、DVT患者に対して臨床学的特徴ならびに核磁気共鳴画像(MRI)を中心とした画像的特徴を解析した。さらにDVT動物モデルを作成し、静脈血栓の経時的な病理組織学的解析ならびにMRI解析を行い、その対比解析を行った。本研究により、特にMRIのシークエンスの一つである拡散協調画像が、DVTの時相判定に有用な可能性が示唆された。 今年度は、本研究については、国際学会発表 (27th Congress of International Society on Thrombosis and Haemostasis, Melbourne, July 6-10, 2019)を行い、現在論文投稿準備中である。 本研究成果については、静脈血栓の経時的解析を行っており、肺血栓塞栓症の発症リスク評価につながる可能性が考えられ、今後は動物モデルにおいて非塞栓部の肺動脈組織に対する解析を追加する予定である。
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