本研究の目的は、高悪性度EGFR肺腺癌に特徴的な、微小乳頭状組織亜型の悪性度を規定する分子基盤の解明である。報告者はMUC21がこのような微小乳頭状成分に特異的に発現し、MUC21を高発現するがん細胞は特に悪性度が高いことを明らかにした。その後MUC21を指標に、同一腫瘍から微小乳頭状成分と非微小乳頭状成分をマイクロダイセクションで採り分け、次世代シーケンサーによる全エクソン解析を行い、微小乳頭状成分のみに起こっている遺伝子変異を同定、特に高悪性化に関連すると予想される20個の遺伝子からなる「高悪性度EGFR肺腺癌パネル」を作成した。
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