研究実績の概要 |
研究目的:本研究ではMSI陽性胃癌を抽出するために必要な免疫染色マーカーを明らかにし,HE染色像と免疫染色によりMSI陽性胃癌を早期癌の時点で診断する方法を確立することを目的とする. 平成31年度は「データ解析のまとめと論文投稿を行う」ことを目的に研究を行った。DNA-MMR関連遺伝子産物の染色態度の比較において、核陽性、核陰性とheterogenityを3型(intraglandular-heterogenity, clonal-heterogenity, co-exist(intraglandular and clonal) heterogenity)に分類して検討した。前年度はMSI陽性早期胃癌においてMLH1陰性は37例、intraglandular-heterogenityは2例, clonalheterogenityは2例, co-exist (intraglandular and clonal) heterogenityは認め無かった。また、5例のMLH1陽性を認めた。PMS2陰性は37例、intraglandular-heterogenityは0例, clonal-heterogenityは1例, co-exist (intraglandular and clonal) heterogenityは認め無かった。また、8例のPMS2陽性を認めた。MSH2およびMSH6において各々陰性は1例、intraglandular-heterogenityは1例, clonal-heterogenityと co-exist (intraglandular and clonal) heterogenityは認め無かった。また、41例のMSH2およびMSH6陽性を認めた。一方、MSS早期胃癌においてもMLH1陰性が3例、2陰性が4例認められていた。上記の染色ではheterogeneityの比率が高いことが指摘された. PMS2, MSH6で新規抗体を購入し再度染色を行い、またMLH1, MSH2においてもheterogenityを示す症例に関して再度染色を行った。その結果、intraglandular-heterogenityとco-exist(intraglandular and clonal) heterogenity)は認められなくなりheterogenityの割合は減少した。染色態度が改善した要因としては免疫染色の一次抗体をかけたのち一昼夜冷所で作用させたことが奏功したと考えられた。現在、新たに得られた結果を基に再度論文化し投稿予定である。
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