研究課題/領域番号 |
18K15092
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
井上 久子 北里大学, 医学部, 講師 (20813504)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 卵巣癌 / ALK / HuC |
研究実績の概要 |
high grade serous carcinoma(HGSC)において、ELAVL3(HuC)の発現はALKおよびSox因子によって誘導される: ALK過剰発現後に特異的に発現する遺伝子を同定するために、CA-ALK細胞から抽出したTotal RNAを使用してNGS解析を行った。CA-ALK#21およびCA-ALK#28細胞より、夫々計2322、2294遺伝子が検出された。これらのうち、140および263の遺伝子は、CA-mock細胞と比較して、5倍以上発現亢進または発現抑制された。クラスター解析により、遺伝子は14のグループに分類できることを明らかにし、グループXIIで約50倍過剰発現したELAVL3(HuC)遺伝子に焦点を当てた。ELAVL3 mRNAおよびHuCの発現は、CA-ALK細胞では有意に増加したが、SA-shALK細胞では増減はみられなかった。さらに、HGSC組織におけるALKとELAVL3 mRNAの発現の間には有意な正の相関関係があった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
培養細胞株を用いた分子病理学的検索が、比較的失敗なく進み、計画通りに順調に進んである
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今後の研究の推進方策 |
卵巣癌でALK発現により神経内分泌マーカーのHuC発現が上昇することを確認した。ALKがどのようにしてHuCを過剰発現させているのか?また、その他の神経内分泌マーカー(シナプトフィジン、CD56, bcl2)などとの関連性はどうかについて分子病理学的に検索を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は順調に実験が進んだため、出費を抑えることができた。その分を、次年度で難航が予想される神経内分泌マーカー発現機構の解析に費やす。
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