卵巣漿液癌(HGSC)において未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)発現は、他の卵巣癌に比べてHGSCで有意に高く、予後不良因子であった。 ALK過剰発現するHGSC細胞株は、細胞増殖の増加、癌幹細胞の特徴の増強、細胞移動の加速を示した。また、神経系関連遺伝子、ELAVL3(一般にHuC)、Sox2およびSox3の発現が増加した。Sox2またはSox3の過剰発現は、ALKとELAVL3の両方のプロモーター活性を増強した。更に、ALKの過剰発現は神経内分泌マーカーの発現を誘導した。以上から、ALKの過剰発現が、神経内分泌因子と協力して、HGSCの攻撃的な表現型特性の確立と維持につながること示唆された。
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