研究課題/領域番号 |
18K15096
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
野嵜 史 聖路加国際大学, 聖路加国際病院, 医幹 (10409021)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 乳癌 / アポクリン癌 / PIK3CA |
研究実績の概要 |
乳腺アポクリン癌モデルとなる培養細胞(MDA-MB-453、MFM-223)とコントロールとなる乳腺非アポクリン癌(HCC1428)において、PIK3CA遺伝子における変異ホットスポットであるexon 9 (E542K[c.1624G>A], E545K[c.1633G>A])、exon 20 (H1047R[c.3140A>G])について遺伝子変異解析(ダイレクトシーケンス法)を行った。その結果、MDA-MB-453、MFM-223にはexon 20(kinase domain)のH1047R部分に変異が確認された。HCC1428には変異ホットスポット部に変異は認められなかった。この結果は今までに報告されている結果と合致しており、現在保有している3細胞は本研究遂行に適合する細胞であることが確認された。 各培細胞の細胞形態を確認するためにまず、通常の培養法である単層培養法を、行い共焦点レーザー顕微鏡での形態観察を行った。その結果、MDA-MB-453、MFM-223におけるアポクリン形態は認められなかった。そこで、3D培養法の一つである、コラーゲン培養法(コラーゲン上培養法)による培養を行い、共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察を行った。しかし、ゲル厚により共焦点レーザー顕微鏡での形態観察が不能であった。もう一つのコラーゲン培養法である、コラーゲン包埋培養法を試行し、パラフィン包埋ブロック作成の上、細胞形態を確認する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
遺伝子変異解析を行うための遺伝子増幅等の条件検討、コラーゲン培養法及びその後の細胞形態観察や細胞処理、インキュベーター設定の異なる3種の培養細胞種の同時培養、以上の要因により、想定以上の時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
細胞形態を確認できる培養法の検討を行い、遺伝子変異導入細胞を選定する。また、ヒト乳癌手術検体をもちいた、PIK3遺伝子変異解析についても検討を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた研究計画の遅れのため、次年度使用額が生じた。
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