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2018 年度 実施状況報告書

日本における節外性T細胞性リンパ腫の臨床病理学的、遺伝子学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K15101
研究機関東海大学

研究代表者

冨田 さくら  東海大学, 医学部, 助教 (20647507)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードMEITL
研究実績の概要

節外性T細胞性リンパ腫の一つであるMonomorphic epitheliotropic intestinal T-cell lymphoma (MEITL) は消化管に原発するきわめて予後不良で稀なT細胞リンパ腫である。近年、MEITLの遺伝子異常が明らかにされてきており、がん抑制遺伝子であるSETD2やJAK-STAT経路に関わる遺伝子の変異が報告されている。本研究では本邦のMEITLの遺伝子異常に関して欧州例との異同を明らかにするために、Targeted sequencingを行った。さらにその結果を我々が過去に行ったOncogene analysisの結果 (Mod Pathol. 2015) と比較した。
本邦のMEITL 9例についてTargeted sequencingを行った。SETD2変異 (7/9), JAK1変異 (4/9), JAK3変異 (6/9), STAT5B変異 (3/9)を認め、その他TP53変異 (2/7), PIK3CD変異 (1/7), ATM変異 (1/7) を検出した。
Oncogene analysisでは3p21 (SETD2) loss (4/7), 1p31 (JAK1) gain (1/7), 17q21 (STAT5B) gain (1/7) を認め、1p36 (PIK3CD), 11q22 (ATM), 19q13 (JAK3), 17p13 (TP53) のgain/lossはみられなかった。
今回の研究で本邦のMEITLにはSETD2変異を高頻度に認め (7/9, 78%)、変異のない2例にも3p21 (SETD2) lossを確認した。これらの結果は欧州例の報告 (Nat Commun. 2016) と合致しており、MEITLの欧州例と本邦例では共通の遺伝子異常を示すことが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本邦のMEITL 9例のtargeted sequencingを行うことができた。さらに我々が過去に行ったOncogene analysisの結果との比較検討を行っており、おおむね順調と考えている。

今後の研究の推進方策

MEITLについてはSETD2の機能喪失の有無について、免疫組織化学的検索が可能かどうか検討している。
MEITL以外の節外性T細胞リンパ腫についても症例の収集を行い、免疫組織化学、FISH、Oncogene analysis等の手法を用いてその臨床病理学的・遺伝学的特徴を明らかにしたい。

次年度使用額が生じた理由

平成30年度に解析した症例は既に免疫組織化学、FISH、Oncogene analysisの解析を過去に行っていたため、当初の予定よりも染色キットや解析キット等の消耗品費がかからず、次年度使用額が生じた。
繰越金は今年度同様、遺伝子解析および免疫組織化学用の消耗品の購入に充てる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Monomorphic epitheliotropic intestinal T-cell lymphoma with T-cell receptor (TCR) of silent phenotype shows rearrangement of TCRβ or TCRγ gene.2018

    • 著者名/発表者名
      Sakura Tomita
    • 雑誌名

      Pathology International

      巻: 69(2) ページ: 117-118

    • DOI

      10.1111/pin.12748

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] T-cell receptor silent phenotypeを示すMonomorphic epitheliotropic intestinal T-cell lymphomaの免疫組織化学的、遺伝子学的研究2018

    • 著者名/発表者名
      冨田さくら
    • 学会等名
      日本リンパ網内系学会

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公開日: 2019-12-27  

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