研究課題/領域番号 |
18K15104
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
|
研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 啓 愛知医科大学, 医学部, 助教 (40732699)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 血管免疫芽球性T細胞リンパ腫 / Epstein-Barr virus / メトトレキセート関連リンパ増殖性疾患 |
研究成果の概要 |
血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)は濾胞ヘルパーT細胞由来の成熟T細胞腫瘍であり、予後不良な疾患である。AITLのうち60歳以下に発生する若年性AITLでは背景にEpstein-Barr virus(EBV)陽性細胞を有する症例の方が有意に予後良好であることを見出し、予後予測に有用であることを明らかにした。 またメトトレキサート(MTX)使用中の患者に発生するAITL(MTX-AITL)では、MTX中止による自然退縮が約7割の症例で見られることを明らかにし、MTX-AITLの微小環境中に存在するplasmcytoid dendritic cellが自然退縮に関わっている可能性が示唆された。
|
自由記述の分野 |
人体病理学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
若年性AITLにおいて微小環境中のEBV陽性細胞の多寡が予後予測に有用であることを明らかにした。これにより予後不良と予測される症例では骨髄移植を考慮に入れて治療計画を立てるといった様に、治療選択の指標となることが期待される。 MTX-AITLではMTX中止による自然退縮が約7割で認めることから、通常のAITLの様に化学療法を治療の第一選択とするのではなく、MTX中止をまず試すべきであることが分かった。このことは必要でない化学療法を避けることにつながり、患者は化学療法による副作用を回避できる。結果として、患者の肉体的、精神的苦痛の軽減に寄与すると考えられる。
|