| 研究課題/領域番号 |
18K15111
|
|---|
| 研究種目 |
若手研究
|
| 配分区分 | 基金 |
|---|
| 審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
|
|---|
| 研究機関 | 東京大学 (2021)
地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所) (2018-2020) |
|---|
研究代表者 |
鈴木 理樹 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00770108)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
| キーワード | 高悪性度胎児型腺癌 / 胎児型腺癌 / 肺腺癌 / KMT2C |
|---|
| 研究成果の概要 |
高悪性度胎児型肺腺癌(H-FLAC)は肺腺癌の稀な亜型である．本研究では，当初は逆相蛋白質アレイにより発現解析を行う予定であったが，ホルマリン固定後の組織検体による解析が困難だったため，RNA-seqにより発現解析を行った．その結果，通常型腺癌群に比べてH-FLAC群において有意なKMT2Cの発現低下が認められた．免疫組織化学的解析においても通常型腺癌群に比べてH-FLAC群において有意なKMT2Cの発現低下を認た．一部のH-FLACではp53のびまん性陽性像やβ-cateninの核への異常集積を認めた．
H-FLACにおけるKMT2Cの機能異常がその腫瘍特性に関与している可能性が示唆された．
|
| 自由記述の分野 |
人体病理学
|
| 研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高悪性度胎児型肺腺癌(H-FLAC)では通常型腺癌に比べてKMT2Cの発現が低下している症例が多いことが明らかとなり，KMT2Cの機能異常が高頻度に生じていることが示唆された．KMT2Cはヒストンメチル化酵素として機能しており，この機能異常に基づくエピゲノム異常がH-FLACの特徴的な組織形態や臨床病理学的特徴に寄与している可能性が考えられる．また，これまでCTNNB1変異やβ-cateninの異常集積はL-FLACの特徴とされてきたが，これらの所見はH-FLACにおいても低頻度にみられることが明らかとなった．
|
