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2019 年度 実績報告書

シングルセル遺伝子発現解析による多段階白血病発症機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K15121
研究機関京都大学

研究代表者

坂本 智子  京都大学, 医学研究科, 研究員 (70648427)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードメチル化アレイ / ダウン症 / 前白血病芽球 / 急性巨核芽球性白血病
研究実績の概要

これまでに、ダウン症児に発症するTAM(Transient abnormal myelopoiesis)およびAMKL(acute megakaryo blastic leukemia)を発症したダウン症患者の血液サンプル、骨髄サンプル、寛解時の正常血液サンプルのRNAシークエンスおよびDNAメチル化解析をおこない、TAMとAMKLにおける遺伝子発現およびDNAメチル化の違いを明らかにした。一方で、サンプル中のTAMまたはAMKLの芽球の比率が検体ごとに異なることが結果にバイアスをかけていることが示唆された。
今年度は、AMKLの芽球のみを解析するために、AMKL患者から得られた凍結血液検体に対してシングルセル遺伝子発現解析を実施した。AMKLの芽球の判定はGATA1変異で行うため、全長の遺伝子配列が決定できるSMARTer Ultra Low Inputを用いてcDNA合成した。また、cDNA合成の効率を高めるためにC1 Cell Auto-prepおよびWTA IFC(Fluidigm)を用い、90細胞をこえるAMKL細胞と非AMKL細胞のシングルセル解析を行った。GATA1変異をもつAMKL細胞およびGATA1変異のない非AMKL細胞を1細胞ずつ選択し、基礎解析を実施した。AMKL細胞は20,116,280リード、非AMKL細胞は20,815,035リードの情報が得られたため、シークエンス量は十分であると判断した。一方で、マッピング率と取得遺伝子数がAMKL細胞は60.38%/1793遺伝子あったのに対し、非AMKL細胞は4.65%/399遺伝子と極端に低いことが示され、データのクオリティフィルターの設定が必要となった。そこで、検出遺伝子数およびミトコンドリア由来の転写産物の比率を観察することで、発現遺伝子解析に供するサンプルの選択をおこなうワークフローを完成させた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (4件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 日常化するシングルセル遺伝子発現解析が展開する医学研究2019

    • 著者名/発表者名
      坂本智子, 渡辺亮
    • 雑誌名

      遺伝子医学

      巻: 30号 ページ: 116-121

  • [雑誌論文] 細胞運命決定機構を明らかにするシングルセル遺伝子発現解析2019

    • 著者名/発表者名
      坂本 智子, 前 伸一, 長船 健二, 岡田 千尋, 樺井 良太朗, 渡辺 亮
    • 雑誌名

      日本薬理学雑誌

      巻: 153 巻 2 号 ページ: 61-66

    • DOI

      https://doi.org/10.1254/fpj.153.61

  • [雑誌論文] シングルセルゲノミクスによる細胞個性の解析が展開する免疫学研究2019

    • 著者名/発表者名
      坂本智子, 渡辺亮
    • 雑誌名

      臨床免疫・アレルギー科

      巻: 第71巻第4号 ページ: 448-454

  • [雑誌論文] 単細胞レベルでの膵内分泌細胞の不均一性と機能解明2019

    • 著者名/発表者名
      龍岡久登,坂本智子,渡辺 亮,稲垣暢也
    • 雑誌名

      実験医学増刊「シングルセルゲノミクス」

      巻: Vol.37 No.20 ページ: 3392-3396

  • [学会発表] シングルセルゲノミクスが展開する発生学研究2020

    • 著者名/発表者名
      坂本智子
    • 学会等名
      岡山大学次世代研究拠点 シンポジウム2020
    • 招待講演
  • [学会発表] シングルセル遺伝子発現解析による膵臓の再生メカニズムの解明2019

    • 著者名/発表者名
      坂本 智子
    • 学会等名
      第4回AMEDがん若手研究者ワークショップ
  • [学会発表] Difference in genetic and epigenetic regulations between young and old mice explored the mechanism of beta cell proliferation.2019

    • 著者名/発表者名
      Hisato Tatsuoka ,Daisuke Yabe, Satoko Sakamoto, Akira Watanabe, Nobuya Inagaki
    • 学会等名
      International Symposium on Epigenome 2019
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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