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2022 年度 実績報告書

サルコメア合成機構の解明に基づいた新規的筋萎縮治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K15130
研究機関順天堂大学

研究代表者

林地 のぞみ  順天堂大学, 医学部, 特任助教 (80772433)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード筋線維 / 成熟 / 顆粒球コロニー刺激因子 / G-CSF / 糖鎖修飾 / Fucosyltransferase
研究実績の概要

骨格筋の再生には、筋衛星細胞が主要な役割を果たす。しかし、筋衛星細胞が筋線維へと分化、成熟する過程はまだ十分に解明されていない。申請者は、筋再生治療の次のステップとして筋線維への分化を明らかとし、筋成熟を促進する因子と同定し筋傷害や筋萎縮に対する治療へのアプローチを試みた。まず、申請者は筋成熟に関与する因子として顆粒球コロニー刺激因子に注目した。まず、筋成熟におけるG-CSF受容体の発現をRT-PCRと免疫染色により確認したところ、筋衛星細胞だけでなく分化開始から拍動を始める時期、筋線維に成熟する全ての過程でG-CSF受容体が発現していることを突き止めた。次に、筋衛星細胞を分化誘導する際G-CSFを添加すると、成熟した筋線維で発現するMYH2やMYH4の発現が高く、拍動する筋線維の割合が有意に増加した。以上のことから、G-CSFは筋成熟に関与している因子であることを確認した。次にG-CSFにより発現が変化した遺伝子として糖鎖合成酵素Fucocyltransferase 8(Fut8) に注目した。Fut8はフコースを付加する酵素ファミリーの一種でN型糖鎖の根本α1.6鎖のN-アセチルグルコサミンにフコースが付加したコアフコースと呼ばれる構造をつくることができる。実際に、筋分化にFut8が作用しているかAAL染色と呼ばれるコアフコースを検出する手技で確認したところ筋分化が始まるとコアフコースが付加されたタンパク質が急激に増加したことを明らかとした。また、Fut8の機能を低下させる2-Fluorofucose (2FF)を添加し筋分化を誘導すると筋管形成が有意に抑制されることを明らかとした。以上のことから申請者は、筋成熟にFut8という分子が作用していることを世界で初めて見出だした。将来は、Fut8に基づいた筋萎縮抑制の治療アプローチの開発に繋げる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] α-1,6-Fucosyltransferase Is Essential for Myogenesis in Zebrafish2022

    • 著者名/発表者名
      Hayashiji Nozomi、Kawahara Genri、Xu Xing、Fukuda Tomohiko、Kerever Aurelien、Gu Jianguo、Hayashi Yukiko K.、Arikawa-Hirasawa Eri
    • 雑誌名

      Cells

      巻: 12 ページ: 144~144

    • DOI

      10.3390/cells12010144

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 株化筋芽細胞C2C12を用いた糖鎖修飾因子fut8が筋分化に与える影響2022

    • 著者名/発表者名
      林地 のぞみ
    • 学会等名
      第8回日本筋学会総会

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公開日: 2023-12-25  

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