サルコメアとは骨格筋を構成する最小の収縮器官である。栄養状態や運動負荷に合わせてサルコメアの合成と分解を行うことで骨格筋量を随時調整している。本研究はサルコメアの合成機構を解明し、筋量の増加を促進する分子を同定することを目標とした。 本研究は顆粒球コロニー刺激因子の欠損がサルコメア構造の不安定化および合成抵抗性を示すことに着目し、サルコメアの安定化に関与する因子として糖鎖合成酵素Fucosyltransferase 8 (Fut8)を見出した。さらに、FUT8の機能を増強する因子としてL-fucoseを同定しin vitro及びin vitro両方において有効であることを明らかとした。
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