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2020 年度 実績報告書

COPI小胞を操作するレジオネラエフェクターの解析

研究課題

研究課題/領域番号 18K15145
研究機関岐阜大学

研究代表者

北尾 公英 (安藤公英)  岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助教 (80462787)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード細菌感染 / レジオネラ / ユビキチン / 脱ユビキチン化酵素 / エフェクター / SNARE / 小胞輸送
研究実績の概要

重篤な肺炎を引き起こす病原細菌レジオネラは、IV型分泌装置を介して約300ものエフェクタータンパク質を宿主に輸送することにより宿主小胞輸送経路をハイジャックし、小胞体(ER)膜由来の液砲(LCV)を構築し感染を確立する。しかしながら、LCVがどのようなプロセスを経てERを模倣したオルガネラ様構造体に変貌を遂げるのか、その詳細なメカニズムは明らかになっていない。
本研究課題では、まず初めに、Lpg1621はヒトOTUB1と相同生が高い脱ユビキチン化酵素(DUB)をコードしているドメインと膜貫通ドメインを有することが明らかとなり、LotBと名付けた。LotBはK63連結型ユビキチン鎖を特異的に切断することが分かった。次に、LotBは宿主小胞輸送システムにおいて重要な役割を担うCOPI小胞と相互作用することが明らかとなり、さらに、COPI小胞が機能する場である初期分泌経路を阻害し、その阻害にはLotBのDUB活性と膜貫通ドメインの両方が必須であることが分かった。また、ER由来SNAREタンパク質Sec22bがレジオネラ感染初期にユビキチン化され、感染後期になるとそのユビキチン化修飾がLotBによって解除されることが分かり、LotBによるSec22bの脱ユビキチン化は感染初期にLCV上に形成されたSec22b-Stx3間のSNAREペアリングの解除を促進することが明らかとなった。LotBを介したSec22bからのStx3の解離は、感染後期にLCV構築が完了する際、Sec22bが別のER由来SNAREとペアリングを作るのに役立ち、また、Stx3が再び細胞膜で本来のSNAREペアリングを形成し、正常な細胞状態を維持するために再利用される可能性が示唆された。機能未知エフェクタータンパク質LotBの解析を通し、レジオネラ感染におけるLCV構築メカニズムの一端を明らかにすることができた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2020 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (3件)

  • [雑誌論文] Legionella Manipulates Non-canonical SNARE Pairing Using a Bacterial Deubiquitinase.2020

    • 著者名/発表者名
      Tomoe Kitao, Kyoichiro Taguchi, Shintaro Seto, Kohei Arasaki, Hiroki Ando, Hiroki Nagai, Tomoko Kubori
    • 雑誌名

      Cell Reports

      巻: 32 ページ: 108107

    • DOI

      10.1016/j.celrep.2020.108107

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Divergence of Legionella Effectors Reversing Conventional and Unconventional Ubiquitination.2020

    • 著者名/発表者名
      Tomoe Kitao, Hiroki Nagai, Tomoko Kubori
    • 雑誌名

      Frontiers in Cellular and Infection Microbiology

      巻: 10 ページ: 448

    • DOI

      10.3389/fcimb.2020.00448

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 型破りな翻訳後修飾を介したレジオネラの宿主細胞内生存戦略2020

    • 著者名/発表者名
      北尾公英、永井宏樹、久堀智子
    • 学会等名
      第94回日本細菌学会、シンポジウムS4「病原細菌と宿主免疫の鬩ぎ合い」
    • 招待講演
  • [学会発表] Legionella manipulates non-canonical SNARE pairing using a bacterial deubiquitinase2020

    • 著者名/発表者名
      Tomoe Kitao, Kyoichiro Taguchi, Shintaro Seto, Kohei Arasaki, Hiroki Ando, Hiroki Nagai H, Tomoko Kubori
    • 学会等名
      IUMS 2020
    • 国際学会
  • [備考] プレスリリース

    • URL

      https://www.gifu-u.ac.jp/news/research/2020/09/entry09-10248.html

  • [備考] web掲載記事

    • URL

      http://www.qlifepro.com/news/20200911/legionella.html

  • [備考] 所属研究室

    • URL

      https://sites.google.com/view/nagai-lab/home?authuser=0

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公開日: 2021-12-27  

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