研究課題
若手研究
C. albicansを始めとしたカンジダ属は、体内に留置したカテーテルなどに付着しバイオフィルムを形成することで感染症を引き起こす。本研究では、緑膿菌が保有するPslGという加水分解酵素が、C. albicansのバイオフィルムに対して形成阻害効果を示すことをin vitro, in vivoで確認した。作用機序として、バイオフィルム形成早期に、カンジダの細胞壁に存在するマンナンに結合し、Als-3に関連する凝集を阻害することで効果を発揮していることが判明した。
感染症学
本研究の成果は、C. albicansによるカテーテル関連感染症の予防に有用なカテーテルコーティング剤の開発に有用である可能性がある。このような技術の報告は限られており、もし、今後臨床応用できれば、カンジダ関連血流感染症でもっとも多いC. albicansによるカテーテル関連感染症を減らすことができる可能性がある。それにより、カンジダ血症による死亡を抑制できる可能性があり、社会的意義は大きい。