研究課題/領域番号 |
18K15151
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
山中 大輔 東京薬科大学, 薬学部, 助教 (70734599)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | β-1,6-グルカナーゼ / β-1,6-グルカン / β-D-グルカン / 深在性真菌症 |
研究実績の概要 |
本研究では機能改変したβ-1,6-グルカナーゼの変異体を新規β-1,6-グルカン認識プローブとして用いることで、深在性真菌症の早期診断法の開発を目指している。糖鎖切断触媒領域のアミノ酸配列を変更したグルカナーゼ変異体は、現在までに40種以上試作した。これらの変異体のβ-1,6-グルカン結合活性を評価するため、可溶性β-1,6-グルカンの還元末端領域を選択的にBiotin化した。分子量既知のBiotin化リガンドを用いることで、プローブとリガンドの結合解離定数の算出が容易となった。いくつかの改変体は糖鎖結合活性をほとんど持たなかったが、強力な結合活性を有するプローブ候補も存在した。改変部位をわずかに変更することで、結合活性に影響が出る可能性もあるため、今後も引き続きグルカナーゼ変異体を作成し、より有力なプローブ候補を探索していく予定である。いずれの改変体も大腸菌によって十分量産生されたが、特に結合力の強いプローブ候補は500mLほどのLB培地から1mg以上のタンパク質を得ることが出来たため、生産効率が非常に高いことが明らかとなった。一方、さらなる生産効率及び結合力の向上を目指し、プローブの低分子量化を試みたところ、N末端あるいはC末端側から30アミノ酸ほど低分子化した段階で、Candida死菌体への結合活性がほとんど消失することが明らかとなった。今後はルシフェラーゼなどの高感度検出用酵素を融合させたプローブの作成・評価、および各種真菌培養上清中に放出される多糖の検出を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度に予定されていた検討項目は,概ね実施することができている。ただし、グルカナーゼ変異体の試作は今後も並行して行う予定であり、出来る限り多くのβ-1,6-グルカナーゼ変異体を作成し、結合活性を評価していく予定である。可用化率・安定性が低い一部のプローブ候補については、結合解離定数などを算出できていないものもあるが、それらは最終的に検査試薬としての応用は得策ではないと判断している。また、カンジダおよびアスペルギルスの試験管内での培養を行ったので、グルカナーゼ変異体を用いて培養上清中の多糖を検出可能か否か、順次検討していく。
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今後の研究の推進方策 |
ELISAをベースとした検出系を用いて、各種真菌の培養上清中のグルカンの検出を行い、現行のLAL法との検出感度を比較する。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入した試薬類の価格に多少の変更があったため。翌年度に消耗品費として使用する予定である。
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