コリスチンは多剤耐性グラム陰性菌に対して用いられる抗菌薬であるが、近年、伝達性プラスミドを介したコリスチン耐性遺伝子mcrが検出されており、コリスチン耐性菌による感染症の新たな治療法の確立が急務である。本研究ではコリスチン耐性大腸菌に対し低用量コリスチンと併用効果のある薬剤をFDA既承認薬を含む780種類のライブラリーからスクリーニングにて20種類選出し、その標的候補の一つとしてグラム陰性菌の細胞外膜構成タンパクXを同定した。承認薬が細胞外膜構成タンパクXと結合し、外膜の機能に作用することによりコリスチンの作用が増強されることが示唆された。
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