E. albertii感染症の多くは軽症であるが、今回、HUS症例から分離されたE. albertiiが原因菌であると推察され、志賀毒素stx2f遺伝子の保有が確認された。Stx2fは、未だ詳細不明なサブタイプであることから、本株のStx2f毒性評価を行った。その結果、本株はStx2fをほとんど産生しなかったが、本株由来のstx2fファージを保有する大腸菌K-12株を取得したところ、明らかなStx2f産生性を認めた。本Stx2fファージは、E. albertiiのバックグラウンドにおいては発現抑制されているが、環境中や宿主体内のファージ感受性菌に獲得された際に毒性が増強する可能性が考えられた。
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