細菌がメンブレンベシクル (MV) を取り込むメカニズムについて詳らかにすることを目的に、大腸菌の遺伝子欠損株を用いたスクリーニングを行ったところ、欠損することでMV取り込み能が増大する可能性のある複数の遺伝子を見出すことができた。 一方、効率的な研究の進行を目的に、大腸菌のMV形成量が増大する条件を検討したところ、培養時にグリシンを添加する方法を見出した。1.0%グリシンの添加により、MV収量はタンパク質量として約70倍、脂質量として約50倍となった。グリシン誘導MVはタンパク質量あたりのエンドトキシン活性が約1/8に減少していたが、非誘導MVと同等の免疫誘導活性を有していた。
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