研究課題
若手研究
結核の病原体宿主相互作用に関わる鍵分子を探索するために、菌のESXシステムから分泌されるタンパク質をコードする遺伝子ppe26, ppe27をそれぞれ欠損させたBCG株を作成した。野生型株を対照に、分化させたヒトマクロファージ様細胞株(THP-1)に感染させて、宿主と菌の網羅RNA発現差解析と各種サイトカイン測定を行ったところ、遺伝子欠損株では宿主免疫応答の増強が見られた。これらの分子を制御することは結核の治療、予防につながる可能性があり、注目される。
細菌学
世界保健機関の2017年の推計では、世界の新規結核発症者は年間1000万人、結核による死者 (HIV陽性者を除く) は年間130万人とされており、結核制圧のための革新的な対策が必要とされている。今回、宿主と菌の相互作用を検討する過程で見出された宿主免疫応答を調節するPPE26, PPE27は、新たな診断、治療薬、ワクチンの開発にとって重要な分子として期待される。。