結核はわが国においても最大級の感染症である。結核予防ワクチンとしてBCGワクチンがあるものの、肺結核に対する明確な予防効果は認められていない。そこで本研究は、現行のBCGワクチンよりも有効な新規BCGワクチン開発の基盤づくりを目指した。我々は、BCGなど抗酸菌の宿主免疫反応を負に調節するSOCS1に着目し、SOCS1のアンタゴニストとして働くSOCS1変異体(SOCS1DN)を搭載したBCG株を作製した。作製したBCG-cynoSOCS1DNをワクチン株としてカニクイザルに接種した結果、現行BCGよりも炎症を軽減させ、T細胞応答を上昇させる有用性の高いワクチンであることが示唆された。
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