研究課題/領域番号 |
18K15163
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
梶原 将大 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 助教 (70711894)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | パラミクソウイルス / コウモリ / ザンビア / アフリカ / ムンプスウイルス |
研究成果の概要 |
本事業ではザンビアの食果コウモリから分離したバットムンプスウイルス (bMuV) の研究を行なった。全ゲノム解析の結果、bMuVはムンプスウイルスと塩基配列で77%の相同性を有していた。また、21%のコウモリからbMuVゲノムが検出された。脾臓、肺、腎臓、結腸、唾液腺から高頻度にウイルス遺伝子が検出されたため、唾液、尿、便等を介するウイルス伝播が疑われた。bMuVをマウス、ラット、ハムスターに実験的に接種した。いずれの個体も明確な臨床症状は示さなかったが、bMuV特異抗体の産生および臓器でのウイルス増殖が確認されたことから、bMuVはコウモリ以外の哺乳動物に対して感染性を有することがわかった。
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自由記述の分野 |
ウイルス学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
COVID-19の例からも明らかなように、コウモリ由来ウイルスによる新興感染症は地球規模の脅威となりうる。新興感染症の発生を防ぐには、動物からヒトへの病原体の伝播を防ぐことが効果的である。本研究を通してbMuVのコウモリにおける伝播様式、生存様式の一端が明らかとなった。ウイルスの生態に関する理解は、コウモリ由来ウイルスによる新興感染症に対する先回り対策を講じる上で知識的基盤となる。また、bMuVの齧歯類動物に対する感染性が示された。ムンプスウイルス感染症の動物モデルはこれまでに確立されていない。本ウイルスがムンプスウイルスの感染様式を明らかにする上での代替モデルになりうる可能性が示唆された。
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