本研究では、HIV-1感染者コホートを用いて、生体内におけるウイルス蛋白質(Nef)の機能と宿主因子(SERINC5)との相互作用の解析を行い、病態発現との関連性を明らかにすることを目指した。未治療の日本人HIV感染者の血漿を用い、Nef領域の遺伝子配列解析、樹立Nefクローンを用いたウイルス複製能の解析、SERINC5に対する阻害機能の解析を行い、HLAに関連した2つのNef変異(Y120F/Q125H)が血漿ウイルス量と逆相関することを見出した。また、これら2つのNef変異の組み合わせは、HIV-1の複製を低下させ、SERINC5に対する阻害活性を減弱化することを明らかにした。
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